一昨日の
NHK BS hi「
クラシックミステリー名曲探偵アマデウス」は、“
喪(うしな)
われた王女を
求めて~
ラヴェル「
亡き王女のためのパヴァーヌ」”と題し、同曲に関する
興味深い考察が展開された。音楽的な分析は置き、標題通り、「亡き王女」とは
一体誰か?
パヴァーヌが
スペイン発祥の舞曲であるため、
ベラスケスが描いた
マルガリータ王女という説があるが、
山本容子さんは、「幼過ぎて
曲の哀愁に合わない」と指摘。
ルイ十三世の王妃として
ハプスブルク家から迎えられた
アンヌという説には 、
幼くして政略結婚させられたふたりが、
仮面夫婦として過ごし、結ばれず 、「亡き王女」が「
事実上の未亡人」を意味するという解釈が付く。
さらに、ラヴェルがこの曲を
献呈した
ポリニャック公爵夫人は、
アメリカから
資産家の公爵に嫁ぎ、多くの芸術家の
パトロンとなるが、夫は
30歳年上で、上記アンヌの気持ちを解するとも。スペイン出身ではないが、
外国からフランスに嫁いだ点も同じ 。
因みにラヴェルの母親は
スペイン・バスク地方出身、上記の曲
原題は“
Pavane pour une infante défunte”で、「亡き王女」だけでなく「パヴァーヌ」も
韻を踏んでいる
聴き手が
それぞれに「亡き王女」を
イメージすれば、ラヴェルも
本望ではないだろうか。
上の写真は、
俳句×写真集『
恐竜×ヴィーナス=17文字』(
HP)に次の句と収録。
蝶逃げる まばゆき息を散らしつつ