
12月3日、神田キリスト教会で
沢知恵コンサートに浸った。オリジナル曲と聖歌、会場が教会でもあり、僕は特定の宗教は持たないが、クリスマスの温かな気持ちになれた。
沢知恵情報満載の季刊誌『
コモエスタプレス』の初期の号に、僕の詩を掲載していただいた。当時から沢さんのライヴは何度も伺っているが、その度に「
しまった、忘れていた」と途中で気づく。
気づいた時はすでに遅く、涙が零れている。泣くつもりも、そんな心の準備もないまま、今回もまた泣かされてしまった。
昼間、映画のロケハンに行った公園で落葉が舞っていた。沢さんの名曲「こころ」の終盤に、落葉のように離れる心、という意味のフレーズがあり、それが今夜は胸に迫った。泣かされる場所はその時その時で変わる。
沢さんの弾き語りは、
祈りそのものに感じる。祈りとは、宗教の如何に関わらず、人間の根源的な魂の希求に根差しているのではないだろうか。
純粋に祈っている人の姿は美しい。ピアノに向かい、聴衆に心を届けようと、ひたむきに歌う
沢さんの美しさの秘密、そして強さの秘密はそこにあると思う。