
4日、前日に続きNIKIギャラリー册を訪れ、
井上ひさしさんの講座「
井上流・戯曲の読み方」に傾注した。ヴォードヴィル(「街の声」の意)華やかな時代、
渥美清さんが「
鉤のきよし」と呼ばれる顔利きのヤクザだった話から、『
ハムレット』の中にある
11のドラマの分析など、“むずかしいことをやさしく やさしいことをふかく”語る、楽しく充実の内容だった。
夜は梅若能楽学院会館で、
栗田芳宏さん構成・演出による能舞台での『
マクベス』を堪能した。マクベスを
市川右近さん、マクベス夫人を
市川笑也さんが演じ、衣装を、かつてイベント『
イデア』を主催し、その中で歌われる歌曲のため歌詞をイタリア語に翻訳する仕事を僕にさせてくださった
時広真吾さんが担当、妖しくも引き込まれる舞台だった。
魔女達の
からくり人形の動き、また後半に入る際の衣装替えにも意表を突かれた。そして能舞台にふさわしい竹笹が魔女の
呪いの小道具に使われるのだが、それがクライマックスの始まりでは
バーナムの森の木々ともなり、
二重にマクベスを愚弄し、追い込む。
演技・演出・衣装の妙により、
華麗な夢幻の悪夢を描き切っていた。