
昨日の記事に書いた
ダ・ヴィンチが、
フィレンツェで
ミケランジェロと
夢の競演をする企画があった。
市庁舎ベッキオ宮の
会議室の対面する壁に、両雄それぞれ
壁画を描くよう依頼された。すばらしい下絵が描かれたが、ふたりとも
未完のまま同地を後にし、競演は
夢のまま終わった。
現在、
上野の
国立博物館に来ているレオナルド
二十代の作「
受胎告知」は、
乙女マリアが
大天使ガブリエルから
キリストを
身籠ったことを伝えられる場面の絵。
ヴァティカンの
サン・ピエトロ大聖堂にあるミケランジェロ二十代の作「
ピエタ」は、
十字架から降ろされた
三十三歳の
イエスが
母マリアの膝に
眠る場面の彫刻。
「受胎告知」も「ピエタ」も
数え切れない画家や彫刻家が取り組んだテーマだが、ふたりの作品は共に
独自性に溢れている。 ピエタはマリアが
悲嘆に暮れているのが普通だが、
ミケランジェロの上記作品では、
若い聖母が
慈愛に満ちた微笑みを浮かべている。
上の写真は、学生時代ヴァティカンでその彫像と対面して詠んだ二十代の次の句に、昨年、
俳句×写真集『
恐竜×ヴィーナス=17文字
』(
HP)の中で組み合わせたもの。
みひざ し
あたたかや 御膝にしなうイエスの屍