
1日・2日、浸れるTV番組があった。1日はBS朝日「
BBCスペシャル キリスト3つの名画の謎」。
まず
ダ・ヴィンチ作「
最後の晩餐」。
イエスの向かって
左隣で首を優雅に傾けている美貌のヨハネが、世界的に
センセーションを巻き起こした「
ダ・ヴィンチ・コード」ではまんまと
マグダラのマリアに
仕立てられてしまったが、番組では
レオナルド作「
岩窟の聖母」の
マリアと頭部が重なることを
図像的に実証した。もちろん「それは女性であることを
意味してはいない」と付け加え。
すばらしい!
次に
ダリ作「
十字架の聖ヨハネのキリスト」。この絵を描くにあたり、ダリはアメリカ在住時代に知り合った
ワーナーの社長にモデルの斡旋を頼み、
スタントマンの
サンダースが実際に十字架と共に
斜めに吊られ、あの
頭上から見た構図でのスケッチがなされた。
見事な筋肉描写の陰に、
スタントのイエスがいたのだ。
最後は
ピエロ・デラ・フランチェスカ作「
キリストの復活」が第二次世界大戦中、
奇跡的に戦火を免れた物語。学生時代、
アレッツォから
バスで彼の故郷
サン・セポルクロを訪れ、その絵を見ていて、山上の町の様子が懐かしかった。そのバスを
途中下車し、かなり歩いて
モンテルキの小さな礼拝堂にある同画家作「
出産の聖母」と
ひとり対面したのも忘れ難い思い出だ。後者は
タルコフスキーの映画「
ノスタルギア」にも印象的に現れる。
2日はNHK BSハイビジョン「
フィレンツェ ルネサンス」。
ブルネレスキが
サンタ・マリア・デル・フィオーレ聖堂の
クーポラ(ドーム)をどう構築したかの実証など興味深かった。
上の写真は俳句×写真集『
恐竜×ヴィーナス=17文字
』(
HP)の、番組でも取り上げられた
ボッティチェリ作「
ヴィーナスの誕生」からイメージした、次の句に合わせたもの。
まと もや
ヴィーナスの纏う金髪 春の靄
ちなみに「
春」は、ボッティチェリの
もうひとつの代表作のタイトルでもある。