
NHK BS
生誕100周年記念
ヴィスコンティ特集、今週のラスト(特集は来週に続く)を飾った映画は「
ルートヴィヒ」だった。大学1年の時に日本初公開で観て、3年から4年の間の休み(をはみ出し2ヶ月超)にヨーロッパを巡った際、ルートヴィヒの建てた
3つの城すべてを訪れた。
ノイシュヴァンシュタイン“
白鳥城”は雪山の中腹に
優雅に佇んでいた。観光馬車の通う表道を嫌い、わざと雪の
裏道を苦労して登った。すると、城の裏手に輝く、
凍りついた滝の前に出た。生涯
独身だった王の、その純白の滝が
妃に思えた。実際ルートヴィヒはこの滝を愛し、幕屋を張って眺めながら食事もしたという(映画には滝は登場しない)。
いてたき
凍滝を妃としたり 白鳥城
この俳句は20代~30代前半の作を収めた句集 『
楽想』 に掲載しているが、今年刊行の俳句×写真集 『
恐竜×ヴィーナス=17文字』(詳細
HP) にも、上のバレエ「
白鳥の湖」用
トウシューズの写真と組み合わせ、
改めて収録した。この本は『楽想』中と、
それ以降の作から特に愛着があるもの、写真と組み合わせてみたいものを選び、構成している。
一昨日放映の「ルートヴィヒ」、かつて何度も観たせいもあるだろうが、4時間の大作が
あまりにも短く感じられた。そして、
あまりにも美しく。
P.S.今日は
三島由紀夫の命日「
憂国忌」で、当blogを始めた一周年。
ご来訪の皆様、
ありがとうございます。今後共よろしくお願いします。