27日、
アテネ・フランセ文化センターで、
エルンスト・ルビッチ監督の
サイレント映画「
山の王者(原題:
エターナル・ラブ)」上映×
柳下(やなした)
美恵さんの
ピアノ伴奏を堪能した。主演は「
E.T.」の子役、そして「
チャーリーズ・エンジェル」のひとり
ドリュー・バリモアの祖父
ジョン・バリモアと
カミラ・ホルン、字幕は
映画美学校・映画翻訳講座の
優秀翻訳を使用し、上映会後、「
コンタクト」他の映画翻訳家・
太田直子さんと「
ポンヌフの恋人」他の映画翻訳家・
松岡葉子さんによる興味深い
翻訳講評もあった。
柳下さんのピアノは時に
劇的に盛り上げ、時に
静寂を深め、見事に映画の
醍醐味を引き立てていた。
こうした無声映画のための作曲・伴奏のすばらしい活動により、柳下さんはこの度、「
日本映画ペンクラブ奨励賞」を受賞された。昨年
UPLINKでの僕の映画(無声ではない)上映会でゲストとして『
隣室』(詳細
HP)の
佃良次郎君作曲のテーマを含む演奏や、
奇聞屋での朗読会で僕の俳句朗読の伴奏をしていただいていて、彼女の受賞は
大変嬉しい。
場を移し、柳下さんを囲んで、映画評論他をなさっている
日野康一さん、映画作家の
藤原敏史さん、東大大学院総合文化研究科博士課程の
大久保清朗さんと
祝杯を挙げた。
25日授賞式が行われた「
アカデミー賞」から
クリント・イーストウッド監督「
硫黄島からの手紙」、
マーティン・スコセッシ監督「
ディパーテッド」の話、日野さんが来日した
ニーノ・ロータから聞いたという
ヴィスコンティ監督や
フェリーニ監督の話、
エンニオ・モリコーネや
三島由紀夫主演「
憂国」の話など帰りの電車の中まで楽しい語らいは尽きなかった。